4つのヴェーダの全てを象徴し、
ヴェーダの伝統を受け継ぐ知識人達によって
代々何千年も受け継がれ、
毎朝夕の儀式の中で静かにチャンティングされ続けてきた
特別なマントラです。
ガーヤトリーとは
ガーヤトリー(गायत्री [gāyatrī])とは、韻律の一種です。
マントラやシュローカと呼ばれる祈祷などに使われる詩節で、
8個の音節が3つ、つまり8X3=24音節を含むものが、
「ガーヤットリー」と呼ばれます。
マントラとは
マントラとは、ヴェーダと呼ばれる聖典を構成している文章を指します。
マントラの内容は基本的に、人間が幸せを実現するための知識を教えています。
マントラはインドの土地で代々口伝で受け継がれてきました。
ヴェーダのマントラには抑揚があり、発音がとても大事です。
発音による周波数の集合が広がって結果を生むからです。
それゆえに、ヴェーダのマントラは、
ヴェーダの教える生活規範に沿った生き方を24時間している先生が、
同じようにヴェーダの教える生活規範に沿った生き方を24時間している生徒へと、
何年もかけて口伝で教えることになっているのです。
反対に、発音を間違えると不本意な結果を招きます。
ゆえに、不用意に日本人が気軽にマントラを口にするのはとても危険なので、
避けるべきでしょう。
ガーヤットリー・マントラとは
8つの音節を3つ含むマントラが、ガーヤトリー・マントラです。
ガーヤットリーと呼ばれるマントラには、
サヴィター(原型サヴィトル、savitr)、ルッドラ、ドゥルガといろいろあります。
どれも、父親または先生からウパデーシャとして教えてもらわなければなりません。
特にsavitrのガーヤトリーは、ウパナヤナという儀式を受けて、
毎日ジャパをするという義務を発生させてから独りでジャパするためにあります。
ウパナヤナの儀式を受けるのは、特定の家系に生まれた男子のみです。
10歳前後で儀式を受け、ガーヤットリー・ジャパを毎日一生続けるのです。
savitrのガーヤトリーはヴェーダのマントラであり、上記のように特に神聖なので、
いつでもどこでも誰でもチャンティングしていいものではありません。
最近は、日本だけでなく、インドでさえも、
「皆でガヤトリを歌おう♪」という動きがありますが、
伝統的な価値観から見て、これはありえないことであり、
プージャ・スワミジを始め、伝統的な先生(アーチャーリヤ)達はそれを批判しています。
マントラは「触らぬ神に祟りなし」という姿勢で接するのがよいでしょう。
ガーヤットリー・マントラの代替
ガーヤットリー・マントラはとても強力です。
その意味も、私達皆が持つ、無知の影を焼き尽くし、
私達皆の知性を、明るい方へと導くようにと太陽に祈るものです。
このガーヤットリー・マントラと同じ内容で同じ結果が得られるシュローカがあります。
マントラと違って、誰でも唱えることができ、また皆で一緒に合唱しても差し支えありません。
そのシュローカと意味は、また今度、時間を見つけて書きたいと思います。
興味があればお尋ね下さい。
リシケシのアシュラムから拝む朝日 |
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