「キリスト教は一神教」であるように、
「ヒンドゥー教は多神教」と判を押したように、よく説明されています。
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「一神教」「多神教」「無神教」といったコンセプトでは、ヒンドゥー教を把握することは出来ません。
まず最初に、これらのコンセプトの理解を試みてから、
それらと比較して、ヒンドゥー教の理解を試みてみましょう。
一神教とは;
キリスト教やイスラム教、ユダヤ教などの、いわゆる「一神教」と呼ばれる宗教では、
「神様」と呼ばれる特別な実体が、天国かどこかにいます。
分かり易く言えば、God@heaven.comといった感じです。
あなたと神様は別々の存在です。
神様は壮大で、あなたはちっぽけです。
あなたの死後に、永久に天国行きか、地獄行きかをジャッジする、
唯一の存在が「神様」です。
それは「信じる」しかありません。信仰心のみに頼っているのです。
多神教とは:
先述の一神教の神様のコンセプトを、複数にしたのが多神教です。
権力者が独りから多数になっただけです。
アニミズムとは:
「多神教」に関して「アニミズム」という信仰があります。
自然の現象や生き物の中に、霊魂が宿ると考え、それを崇拝する宗教です。
一神教の信者は、多神教やアニミズムを、原始的で幼稚だと考え、
自分たちの一神教がより高度で洗練されていると信じています。
無神教とは;
「無神論」とも言う事が出来ます。
「神様」とかいうコンセプトがなくても、科学的な説明により、
世界や人生の目的などを理解することで十分満足出来るという考えです。
ヒンドゥー教とは:
ヒンドゥー教は、これらのうちのどれに当てはまるのでしょうか?
ヒンドゥー教の原典となる、ヴェーダは教えます。
सर्वं खल्विदं ब्रह्म
全てはブランマンである。
この世界、宇宙に在るもの一切を、ブランマンと称して定義しているのです。
ブランマンを神とするなら、ヴェーダのヴィジョンは、「神のみが存在する」のです。
「ひとつだけの神(とその他の神でないもの諸々)が存在する」のではなく、
「たくさんの神(とその他の神でないもの諸々)が存在する」のでもなく、
ヒンドゥー教の原典となる、ヴェーダは教えます。
सर्वं खल्विदं ब्रह्म
全てはブランマンである。
この世界、宇宙に在るもの一切を、ブランマンと称して定義しているのです。
ブランマンを神とするなら、ヴェーダのヴィジョンは、「神のみが存在する」のです。
「ひとつだけの神(とその他の神でないもの諸々)が存在する」のではなく、
「たくさんの神(とその他の神でないもの諸々)が存在する」のでもなく、
「全ては神だけど、いろんな神が存在する」のでもなく、
「存在しているのは神だけ」なのです。