2015年4月2日木曜日

2.グラハスタ・アーシュラマ(家庭人)の義務

グラハスタという言葉の由来

ラハ(गृह)とは家のことです。
スタ(स्थ)とは、そこに留まっている人を指します。
つまり、家庭を築いている人のことを指します。


グラハスタ・アーシュラマとは


グラハスタ・アーシュラマの期間は25歳くらいから50歳くらい、要するに、結婚してから子供が独立するまでの間を指します。

グラハスタ・アーシュラマは、経済的(持ち物や財産)、社会的(地位、名声)、個人的(家族、パートナー)、などの望みを叶える為の、唯一の時期です。

ゆえに、家庭人はダルマに沿って積極的に生産・消費活動をすることが期待されます。

ダルマを一番に尊重しながら望みを達成することが社会貢献となり、同時に本人の精神的成長を助けるのです。

また、グラハスタ・アーシュラマは、他の3つのアーシュラマを経済的に支える唯一の時期でもあります。


パンチャマハーヤッニャ(家庭人の5つの義務)

पञ्चमहायज्ञाः [pañcamahāyajñāḥ]

ダルマは、どのような活動においても一番に尊重されなければなりません。

しかし、家庭人として、生産・消費活動を続けるにあたっては、他との競争に勝つ必要が出来たり、家族を守りながら生き延びて行く為に、ダルマにおいて妥協をしざるを得ない状況が出てくることもあります。
火を焚いて炊飯をしたり、掃除をするだけでも、多くの昆虫の命を奪っていることになります。

そういった日々の小さなダルマの妥協を、蓄積しないように中和するための行いが、「パンチャマハーヤッニャ」です。

「パンチャ」は「5」、「マハー」は「偉大な」、「ヤッニャ」は「儀式」と言う意味です。

「ヤッニャ(儀式)」とは、祭壇を使ってする儀式だけでなく、生活の中でする行為全てを指して使われます。
仕事をすることも、お風呂に入ることも、家族と平和な時間を過ごすことも全ては、ここにあるもの全て(イーシュワラ)に対してその栄光を讃え、感謝を示す儀式なのです。


1.ブランマ・ヤッニャ(ब्रह्मयज्ञः)


ヴェーダの勉強、文献の勉強、そしてサンスクリットの祈りの句をチャンティングすることを通して、ヴェーダとその文化に対しての尊敬と感謝を示し、この文化を次の世代に受け継いでもらう義務です。


2.ピトリ・ヤッニャ(पितृयज्ञः)


日本で言う先祖供養です。毎月の新月の日と、年に一回の命日に、残された家族がする儀式です。7世代以前の先祖を供養していることになります。
私達がここで平和に文化的に暮らしているのも、私達の先祖が、子孫へと命を繋げてくれ、文化を残してくれたお陰です。その尊敬と感謝と表す為にする儀式をする義務が家庭人にはあります。

3.デーヴァ・ヤッニャ(देवयज्ञः)


デーヴァとは、この宇宙が宇宙として成り立っている、全ての法則のことを指します。重力の法則、磁力の法則、生物学の法則、、、私たちの身体と心の全てにおいてにも共通して働いているこれらの法則がデーヴァ、あるいはデーヴァターです。
太陽が毎日昇り、目を開ければ視覚が起き、全てが法則どおりに循環している、、、この「当たり前」の奇跡に気付き、感謝を示すことが儀式です。
ヴェーダやプラーナでは、その儀式について決まりごとが述べられており、それに従うことが家庭人の義務とされています。

4.ブータ・ヤッニャ(भूतयज्ञः)


私達人間は、他の生物を消費する為だけには造られていません。
他の痛みに共感し、他の生物を育て守ることが出来る心身を持たされています。
毎日動植物に慈しみを与えるのも家庭人の義務です。


5.アティティ・ヤッニャ(अतिथियज्ञः)


アティティとは、予定を入れずに訪問してきたお客さんのことを指します。そのような突然の来客は神として扱うようにとヒンドゥーの文化では教えられています。
来客に限らず、人間に対する奉仕全般を指します。
機会があるごとに、ヴェーダの文化の継承に関わる人々や、ブランマチャリヤとサンニャーサ・アーシュラマの人々、また充分な食事の機会に恵まれない人々に食事やお金、生活用品を振舞うのも家庭人の義務です。


3.ヴァナプラスタ・アーシュラマ (隠居生活の準備)>>

人生の4つのステージ(アーシュラマ)

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