ラクシュミー
財産も、成功も、勝利も、円満家庭も、子孫繁栄も、幸運も、全てラクシュミーの表れです。
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一番人気、ラクシュミー |
上に書いてある言葉は「श्री [śrī](シュリー)」といって、「富」という意味です。
ラクシュミーはいつも両手に蓮の花を持っています。
それゆえに、「पद्मिनी [padminī](パドミニー)」、もしくは
「पद्मवती [padmavatī](パドマヴァティー)」と呼ばれます。
パドマとは、蓮の花のことですね。
アーサナ(座)もパドマです。
普通は空いている左手で、前で富を祈る人に対してBlessingをしています。
右手からは金貨がザクザクと流れ出ています。
ラクシュミーを崇める人が、肖像の足に触れたり、
そこにサンダルペーストなどをつけてプージャーが出来るように、
どの肖像も大抵は右足が出ています。
インドでは、先生や両親に挨拶をするときに、足を触る習慣があります。
私にグレース(恩恵)をください、というゼスチャーです。
宇宙全ての富の総称を、ラクシュミーといいます。
黄金はラクシュミーのシンボルです。
商売繁盛、そして幸運全般、全てはラクシュミーの表れです。
だから、お金も子供も、「私の努力で私がゲットした私のもの!」ではなく、
ラクシュミー女神自身として、大切に崇めるのです。
そんな姿勢でお金や家族に接することが出来たら、人生すばらしいですね。
とにかく、ラクシュミーあってこその人生なので、
ラクシュミーの祝福を得るために、皆こぞってラクシュミーを崇めます。
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ここにラクシュミーありき。 |
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ラージ・ラヴィ・ヴァルマの油絵のラクシュミーはとっても素敵。 |
もっと沢山の種類の肖像画があれば喜ばしいことですね。
美大や芸術学校の課題にとても良い題材ではないでしょうか。
その時は、深いインスピレーションが湧くように、
私がヒンドゥーの神々についてレクチャーしに行きますから、お声を掛けて下さいね。
よろしくお願いします。
黄金色にキラキラ輝くラクシュミーの祝福は、人間なら誰でも追いかけます。
ラクシュミーが居なければ、仕事も趣味も勉強も、
家庭も政治も恋愛も、何も始まりませんからね。
そんな訳で、絶対的一番人気の座をほしいままにしている女神ラクシュミー。
サラスヴァティー
熱狂な崇拝を受けるラクシュミーを横目に見ながら、
ヴィーナーを弾いているのは、芸術、知能の女神、サラスヴァティー。
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スタンダードなサラスヴァティーの肖像画 |
「みんなラクシュミーばっかり崇拝してさ、ボロロ~ン」と、
サラスヴァティーの特徴は、まず、真っ白な服。ヴィーナー。
左手に持っているのは、ヴェーダの文献。全ての知識の象徴。
右手に持っているのは、スパティカ(クリスタル)のマーラー(数珠)。
クリスタルクリアーな知能、数珠はジャパ(マントラを唱え続ける修行)をあらわしています。
彼女もパドマに座っています。乗り物は白鳥。
白鳥は、真偽を見分ける力(ヴィヴェーカ)の象徴です。
音楽を習う人はもちろん、全ての形の芸術と学問に関わる人々から崇められています。
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右足が出てるでしょ。 |
人間、どんなに物質的な富に恵まれていたとしても、
知能が無ければ、豊かさの価値を理解出来ません。
猫に小判どころか、財産のせいで身を滅ぼしてしまいます。
どんなにお金を積んでも、サラスヴァティーのグレースが無ければ、
本一冊、一遍の詩すら、理解し、鑑賞し、味わうことは出来ません。
感謝できる心が無ければ、どれだけの富と名声、人間に囲まれていても孤独です。
「カギを握っているのは、結局私なのよ!ボロ~ン」