2015年1月12日月曜日

[4] 物事の達成に必要な2つの要因

 さて、私達はいつも、「どの原因が、どのような結果を生むのか?」につういて知り得る限りの情報を駆使して、何かを達成しようとしています。

 例えば、東大に合格したければ、進学塾に通って猛勉強します。なぜなら、東大合格という結果と猛勉強という行為には、しっかりした因果関係が見られるからです。

 しかし、猛勉強をすれば必ず東大に受かるのでしょうか?東大合格という結果を生むためには、猛勉強以外にもさまざまな要因が必要です。夜食を作ってくれる人、勉強机、参考書、願書、それらを買うお金、試験日までの身体的精神的健康、期限内に願書を提出し、受験票を受け取り、試験日に時間通りに試験会場に到着出来るために機能している通信、郵便、流通、交通システム、天災に見舞われないこと、国や市町村の政治が安定していること、等々と、私達が想像し得る要因だけでも数えだしたら霧がありません。試験当日に目覚ましの電池が切れないか、地震が起きないか、交通事故に遭わないか、ということまで考え出すと、想像の範囲を超える要因も数え切れない程にあること位は想像出来ます。そして、それらの全てが自分の望むようにうまく行かなければ、試験を受けることすら出来無いのです。

 これらの要因を観察してみると、目標達成に関わる要因は大きく2種類に分けることが出来ます。

1.猛勉強をすることや、試験会場に行って問題に答えること等、自分の意思の範疇にあり、自分の取る行為によって直接手を打つことの出来る要因。

2.自分が想像出来る範囲内外両方にある、自分の意思の範疇に無い要因。

 このことから、何かを達成する為には、自分の直接的な行為以外にも、実に様々な要因が沢山関わっていることが理解出来ます。

 もう一歩進んで考えると、猛勉強出来る思考能力も、試験会場に向かえる行動能力も、与えられたものであって、「自分の意思だけでどうにかなった」と言い切るのは、周りがよく見えていないだけかも知れません。

 自分の手の内に無い決定要因は、太古の昔から全ての文化で「運」「ラック」「縁」といった言葉で認識されてきました。